会長挨拶
第31回小児集中治療ワークショップ
会長 徳平 夏子
(大阪大学医学部附属病院集中治療部)
2024年大阪で開催される第31回小児集中治療ワークショップ大会長を拝命しました、大阪大学医学部附属病院 集中治療科の德平夏子(とくひらなつこ)です。
このページを見てくださっているみなさま、こんにちは。どうぞよろしくお願いいたします。
小児集中治療ワークショップについて
小児集中治療ワークショップは、日本小児集中治療研究会が主催している、日本全国の、小児の集中治療に関わる人々が集う学術集会です。
長い歴史がありますが、大会長制は2018年より始め、これまでいずれの会も大会長の想いがこもった個性豊かな会となっております。ここまでワークショップを発展させ繋いでこられた、医療者、賛同してくださった個人や企業のみなさまに感謝を申し上げます。
さて、この学術集会・小児集中治療ワークショップは、小児集中治療における治療及びケアの質に関わる基本的・先進的な知見の提供を行い、日本の小児集中治療のベースライン向上にその役割を果たしてきました。そして何より小児の集中治療に関わる多職種が集まれる全国大会としての役割は大きいです。
大会テーマについて
そして今回大会テーマを「小児の集中治療 全国津々浦々」としました。
様々な現場・様々な職種
私と小児集中治療との関わりは、自身の集中治療歴と同くしますが、そのほとんどが成人と並行または同時での関わりでした。その中で、小児の重症患者さんを見る現場は多様である、ということを感じてきました。
小児に不慣れな施設、小児に慣れているけれども入室数がそれほど多くない施設、成人ICUの中の小児例、小児を見ざるを得ない成人ICU、集中治療室に入れない・入らない小児重症例、職種を問わず集中治療または小児の集中治療を意識する仲間が潤沢ではない施設、様々な現場があるのではないかと感じています。一方で集約化施設は様々な施設との関わりで、ある種の葛藤を抱きながら治療にあたられているのではないでしょうか。そして、様々な現場には様々な職種が関わっています。
今の現実の中で、小児の集中治療をするために、何をしているのか、何を困っているのか、どうすればいいのか、どうしていけばいいのか、全国津々浦々、様々な現場・様々な職種の仲間たちの考えを、表出できる場になればと考えております。
必要な人に必要な治療を、年齢を問わない集中治療を
これまでの臨床経験で、成人では普通に行われている「全身管理」がなぜか小児では行われていないような気がしたり、または開始されるまでの時間的・距離的な差を感じることがありました。
必要な人に必要な治療を、このシンプルなことがなぜできないのだろう?
集中治療だから?小児だから?
その思いは、年齢を問わない集中治療の提供を、とセットとなり私の座標になりました。
これは、学生教育から始まり、院内にとどまらず行政にいたるシステムを含み、そして全国津々浦々の様々な現場、そして様々な職種にまで広がるテーマではないかと考えております。
サブテーマについて
また、サブテーマとして「呼吸」を取り上げます。基本がなければ重症例の管理はできません。その当たり前のことから、今回も領域テーマを設け、基本を含めて「呼吸」を集中的にとりあげます。ケアと治療が強く関わる小児集中治療ですので、内容を問わず、広く多職種にご参加いただければ幸いです。
企業の皆様も
そして、集中治療において、私たちは医療機器や医薬品など様々な医療品の助けがあって重症患者さんの全身管理をより良く行うことができます。今回の学術集会:ワークショップにおいてどのような取り組みができるのか試行錯誤ですが、是非とも、集中治療に欠かせない医療品を通じて小児の集中治療に関わっておられる企業のみなさまにも、ご協力そしてご参加いただきたく存じます。
最後に
私たちが活動するシステム、そして様々な小児の集中治療の実際の話がしたいです。随分と壮大になりましたが、結論はなくとも、紛糾したとしても、日本全国で小児の重症例、小児の集中治療に関わっている人たちが発言できる場になるように「小児の集中治療 全国津々浦々」を進めていきたいと思っています。
大阪空港からも新大阪駅からも15分の千里中央で行います。
ぜひみなさま、つぶやきに、主張しに、共感しに、のぞきに、お越しください。
そして、大阪で、みなさまにお目にかかれることを楽しみにしております。
もう一言
くれぐれもご自身の健康を大事にしてみなさま日々をお過ごしください。